古材とは?メリット・デメリットや入手方法、施工事例を解説
古材は木造住宅などで使われていた古い資材のことで、新しい家を建てたり、リフォームをしたりする際に活用されることが多いです。新品の資材を使用するのも魅力的ですが、古材を利用して味のある家に仕立て上げるのも違った魅力があると言えるでしょう。
当記事では、古材に関する基本的な情報と利用することのメリット・デメリットを解説します。これからリフォームを検討している方や新築で家を建てようとしている方は、ぜひ古材の魅力を知って、導入の検討材料としてみてはどうでしょうか。
もくじ ・古材とは ・古材のメリット ・古材のデメリット ・古材の種類 ・古材の入手方法 ・古材を使用した施工事例 ・古材のお見積り・サンプル請求 |
古材とは
古材とは、「昭和25年以前に建てられた木造住宅」などに使われていた資材のことです。「昭和25年以前」と定められている理由として、戦前における木造住宅などの資材調達の方法が挙げられます。戦前の木造住宅には、その地で採れた良質な木材が使われることが多く、そのほとんどが国産であるため、資材の品質がかなり良いです。 しかし、現在では外国から安い木材を入手することの方が多く、外国産の木材が流通して国産の木材の使用数の方が減っているのが現状です。そのため、昭和25年以前に使用されていた国産の木材、つまり古材は注目を集めており、少しずつ価値を高めています。
古材のメリット
古材は、良質な木材が利用されていた資材ということもあり、様々なメリットを持ち合わせます。以下では、その中でも特に注目すべきメリットを2つピックアップしました。古材の導入を検討している方は、メリットを参考に導入価値を見定めてみてはいかがでしょうか。
素材自体に深みが出る
近年、住宅の建築に使われる資材の多くは、加工品であることが多いため、形状や模様に統一感が生まれます。ですが、古材の場合は使用した木材の模様、色合い、風味などが少しずつ違うため、深みを演出してくれるでしょう。古くてもそれ自体に価値が見出されれば、ヴィンテージとしての価値を持つようにもなり、唯一無二の素材として人気を集めるようになります。 新しい家の建築資材として古材を取り入れたり、家具を古材で作ってみたりすれば、家の中に新しい木材では決して出すことのできない風情や迫力を作り出すことも可能となるでしょう。
サステナブルな暮らしにつながる
サステナブルな暮らしとは、今ある自然や資源を守りつつ、豊かな暮らしを続けられるように生活することを指します。古材を使えば、古材を使用した分だけ新たな木材を調達する必要が無くなるため、循環型社会へと貢献することができるでしょう。また、近年注目されている、SDGsへの取り組みとしても古材の活用は効果的です。つまり、古材は環境保全を意識するうえで、必ず検討材料に入れたい資材の一つであると言えます。
古材のデメリット
古材はデザイン面や環境面に対するメリットがある一方で、デメリットもあります。デメリットを知ることは、古材を使用するうえで押さえておくべきポイントともいえるので、古材の使用を検討している方は必ず確認しておきましょう。加工木材と比べながら確認するのもおすすめです。
同じ古材を揃えにくい
古材は過去に使用された木材を再度利用したものなので、同じ素材で揃えられる可能性が低いです。同じ建築物から全て調達するならまだしも、すでに古材として販売されているものを調達するとなれば、同じ素材を集めるのはほぼ不可能と言えるでしょう。同じ古材を揃えることができないと、家具で利用するにしても部分的に大きな違いが生まれやすくなり、古材といえどもデザインがしにくくなるケースもあります。形状は加工すれば揃えられますが、古材の年代などは揃えるのが難しいので利用する場合は、調達に苦戦するケースもあることを把握しておきましょう。
手間がかかる
古材は再利用するために加工する必要があり、それに対する手間がかかってしまうでしょう。新しい木材であれば、使用する箇所や目的によって適切なサイズのものを仕入れることができますが、古材の場合は必要に応じて細かく加工したりする必要が出てしまいます。そのため、もし古材の調達を効率よく進めたいのであれば、専門に扱っている業者などを探して最適なものを探す必要があるでしょう。
古材の種類
昔の木造住宅は地域の良質な木材を利用していたため、地域ごとに使用する木材の種類も異なっていました。そのため、古材にも様々な種類があり、それぞれ特徴も異なります。以下では古材の種類をまとめましたので、参考にしてみてください。
古材の種類 | 特徴 |
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和古材(欅板) | 蒸籠蔵と呼ばれる日本の伝統的な土蔵内部の柱と柱の間の羽目板として用いられていました。T約25×約550〜600角mmのサイズで、壁面や天板材として利用しやすい和古材です。 |
グレイウッド | アメリカ大陸の標高2000mの高地で防風フェンスとして使用されていたパイン材です。自然環境でグレーに風化したアンティークなテクスチャーが特徴となっています。 |
バーンボード | シルバーグレイの色合いと浸食により深くエッチングされたテクスチャーはバーンボードの特徴です。ブラウン色にわずかにグレー色が入った裏面もアンティークな独特の風合いを持っています。 |
ハンドヒューンビーム | ハンドヒューンビームは梁や柱として使用されていたもので、グレー系・ブラウン系の色合いとなっています。古材としての風合いをそのままに、釘穴・ほぞ穴・割れ等があります。 |
オールドボード | 古材が取り出される解体現場によって、どのように使われていたかが異なります。そのため、ロットにより色合い・テクスチャーが多種多様であり、表情豊かなことが特徴です。 |
オールドプランク | 厚みが3インチ〜4インチ(65〜95㎜)のものが主で、厚み以外はオールドボードと類似しており、木目が詰んでいるのが特徴です。長さ3メートル以上のものもあるため、広い間口、スペースにも対応できます。 |
スキャッフボード | 建設現場の作業床として使用されていた古材です。高所で使用されることの多いスキャッフボードは強度があり、テーブル天板や棚板製作にも適する素材と言えるでしょう。 スキャッフボード(足場板)の解説記事→足場板とは?メリットやデメリット・施工事例・選び方のポイントを解説とは |
オールドミックスウッド | 様々な古材をミックスさせた素材です。種類の異なる古材をランダムに使用することで、バラエティに富んだユニークな風合いとなるのが特徴です。 |
オールドルーフィング | 昔ながらのスチール亜鉛メッキの古トタンです。個性的な空間作りのアクセントとして人気があります。1枚1枚錆びの程度は異なりますが、それが深みを出してヴィンテージ感を演出するでしょう。 |
オールドパインフローリング | 構造材として、大型建築物を支え続けた古材です。古材ならではの割れや節欠けが味わいとなって、ブラウンの古色を引きたてます。 パインの解説記事→パイン材とは?床に使用するメリットやデメリット・施工事例を解説 |
古材は色や模様も全て違います。表情豊かなものもあれば、独特な風合いを出すものなど様々です。ご紹介した様々な種類の古材を確認して、実際にどうやって使用するかをイメージしてみるのも、古材を使用する楽しみの一つと言えるでしょう。
古材の入手方法
古材を入手する方法は主に以下で示す3種類があります。
・古材を取り扱うホームセンターで購入
・昭和25年以前に作られた住宅を解体して取得
・古材専門店などプロが古材を扱う業者から購入
この中で特におすすめなのは、古材専門店などのプロから古材を購入する方法です。アルベロプロのような木のプロフェッショナルが取り扱うところで購入を検討すれば、プロが自身にとって最適な古材をおすすめしてくれるでしょう。また、自身が分からないような古材のことも、正確に答えてくれます。
古材を使った施工事例
古材を使用したいという思いはあるが、実際にどのように使用すべきかイメージがわかない方向けにアルベロプロの施工事例をご紹介します。以下では4種類の古材に関する施工事例をピックアップしたので、自身の物件に利用する際の参考にしてみてください。
施工事例1|オールドミックスウッドを使用
この写真はオールドミックスウッドを壁面に利用した事例です。オールドミックスは様々な古材をミックスさせているのが特徴で、使用するだけで部屋のアクセントとして高いデザイン性を発揮します。壁に利用していることで、落ち着いた雰囲気の中におしゃれ感を生み出せるでしょう。
F’s house #127 | |
製品名 | オールドミックスウッド |
樹種|カラー | 古材ミックス |
仕上げ | 無塗装 |
仕様 | サイズ:T10〜20×W60〜180×L400〜1400(mm) |
施工事例2|グレイウッドビーチスタイルを使用
この写真は グレイウッドビーチスタイルNo.2 をカウンターの側面に利用した事例です。グレイウッドビーチスタイルは通常のグレイウッドより白く色褪せたイメージの古材で、ロットにより色合い・テクスチャーが多種多様であり、表情豊かな点が特徴的といえます。濃い目の色合いをした床とも相性が良く、落ち着いた雰囲気を作り出せるのが魅力です。
Maple STREET MARKET #105 | |
製品名 | グレイウッド ビーチスタイル |
樹種|カラー | パイン古材 |
仕上げ | 無塗装 |
仕様 | サイズ:T7~12×W135~L155×2450一部乱尺 (mm) |
施工事例3|オールドボードハーフを使用
この写真は オールドボードハーフ を壁面に利用した事例です。オールドグロウは木目が詰んでいることと、幅の広さが魅力的で、壁面に利用することでインパクトを空間に与えることができます。ロットにより色味なども異なるため、床の色や家具に合わせて最適なものを選べば、写真のようなおしゃれな空間を生み出せるでしょう。
studio Bloomroom #128 | |
製品名 | オールドボード |
樹種|カラー | 古材ダグラスファー |
仕上げ | オイル塗装 |
仕様 | サイズ:T16~18×W180~190×L2450(mm) |
施工事例4|古材家具 スキャッフボードドメスティックを使用
この写真は スキャッフボードドメスティック を机の天板に利用した事例です。スキャッフボードは建設現場の作業床として使用されていた古材であるため、強度が高いです。事例のようにテーブル天板や棚板製作にも適する素材となっており、強度が求められる家具に利用されることが多いです。古材を利用して作っているため、アンティーク感のある家具に仕上がりやすいのも大きな魅力といえるでしょう。
H’s table #125 | |
製品名 | 天板:スキャッフボード 脚:スチール脚C |
樹種|カラー | 天板:杉古材|クリア |
仕上げ | 天板:艶消しウレタン 脚:無塗装 |
仕様 | テーブルサイズ:W1200×D1200×H700(mm) |
古材のご購入なら
アルベロプロへ
古材は昭和25年よりも前に建てられた建築物を解体した時に手に入る資材のことを指します。古材は、それ自体に味があり、部屋の雰囲気の深みを出したりするのに活躍するでしょう。また、古材を利用することはサステナブルな暮らしを実現するためにも効果的で、環境保全にも役立つことから注目を集めています。 もし、古材の購入を検討しているのであれば、専門知識が少ないホームセンターなどで購入するよりも、木材に関するプロの知識を持った専門業者に相談してみるのもおすすめです。アルベロプロは「木」に対するプロフェッショナルで、フローリング事業や古材事業に強く力を入れています。「木」に対する意識も高く、「大事に扱いたい。大事に作りたい。そして大事に使ってほしい。」という思いのもとに「木」を扱っております。アルベロプロでは「古材のすばらしさ」を伝え続けておりますので、ご興味ある方はぜひ一度アルベロプロへ相談してみてはいかがでしょうか?